龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

バイアスという名の情報

花粉症についてステロイドの注射を打っていることを前回、述べた。私は7年ほど前から毎年のように2月の中旬に年1回だけ注射を打ってもらっている。去年だけは打たなかったが、それ以外の全ての年は京都の有名な病院でステロイド注射をしている。それでわかったことなのだが、世間一般には俗説としてステロイドの弊害というか、副作用を心配する声が強く存在するようだ。私は医者ではないし、自分の身体のことしかわからないので一般論としてはっきりしたことは断定できないが、自分の経験だけから述べれば、年に1回ステロイド注射をした程度で身体に何らかの弊害や悪影響があるようなことはまったくあり得ない。もちろん妊婦ならどうかと言われれば、男である私自身の身体とかけ離れたケースなので何とも答えようがないが、また何も私はステロイド注射をする医者の擁護をするつもりもないが、これまでの経験から正直に自分の感想を言えば、ステロイド注射有害論は、かなり業界内における政治的な圧力を反映しているのだと思われる。年に1回注射を打つだけでいとも簡単に、きれいさっぱりと花粉症の症状が消滅してしまうことが世間に拡まれば、製薬業界におけるアレルギー性鼻炎薬の売り上げや町の耳鼻科病院の診療収入は大きな打撃を受けるであろうから、悪評が喧伝されることは当然と言えば、当然のことである。たとえばステロイドの副作用で太るということがよく言われるが、これは事実である。私の友人は、以前にベーチェット病で1カ月ほど入院していたがその間に5キロ太ったと言っていた。しかし、それはその入院期間にかなりの量のステロイドを目の炎症を防ぐために投与されていたからであり、それでも退院後は数カ月で元の体重に戻ったようである。ステロイドが身体に蓄積されて障害になったということは、難病指定されているベーチェット病に罹患していたその友人ですらなかったのだ。ましてや年に1回花粉症で、ステロイド注射をしたからと言って私は太ったこともなければ、その他いかなる副作用もなかった。それが半年に1回でも、3カ月に1回でも恐らく同じだと思われる。ただ私の場合は1年に1回の注射で花粉症の症状が翌年のシーズンまでまったくなくなってしまうので、それ以上打つ必要がないだけのことである。
どちらかと言えば私は、アレルギー性鼻炎薬であれ、風邪薬であれ、薬の飲み過ぎの方が、年に1回か2回のステロイド注射よりもよほど身体に弊害があるのではないかと考えている。同じ薬を飲み続けていると、身体が麻痺したように効かなくなってくることは誰もが共通していることであろう。そうすると他の薬を飲まなければならなくなり、そうやって全体の薬の摂取量が増えると身体に良い訳がないと考えられるものだ。ところが年に1回程度のステロイド注射は必要以上に危険視されるのに、薬の飲み過ぎの弊害については言及されることはほとんどない。こういうことは全て社会的な洗脳であると言えるのではないのか。製薬業界はその規模の大きさから政治的な発言力が大きいであろう。マスコミは有力なスポンサーである製薬業界を敵に回すような発言は当然、控えるであろうから、花粉症対策にステロイド注射が有効であるとは言い難い。もちろん危険性が高いとも言わないが、どっちつかずで曖昧に沈黙しているだけである。それは恐らく厚生省や政治も同様である。厚生省の官僚は製薬業界に天下りなどの絶大な利権を有しているし、政治家も多額の政治献金を得てきたことであろう。今の時代はこれまでの付けが回ってきて、医療費の社会保障負担が破綻しかけているから、薬の出し過ぎに厳しい目が向けられるようにはなってきているが、それでも製薬業界の政治的影響力が大きいことには変わりないであろう。自分にとって何が有益かという情報は、情報そのものを吟味するだけではよくわからないことが多い。その情報の背後関係から検証しなければ、真相が見えてこないのである。もちろん最終的には自己責任と言うことになるのであろうが、一般的に見て巷の情報には、金儲け主義のバイアスが強すぎるということは言えるのではなかろうか。健康や命に関することは、出来るだけ背後関係の偏向を排除して報道してもらいたいものだ。そう言えば1年前の原子力発電所事故発生直後の報道も、“直ちに人体に悪影響を及ぼすものではない”とか“レントゲン撮影程度の放射線量なので大騒ぎするほどではない”などのよくわからないような言い回しばかりが繰り返された。それらの言い回しに共通することは、要するに責任を取るべき立場の人間が責任を曖昧に回避して、国民に自己責任で判断してくださいと言っているだけのことなのである。要するに誰も何も信用できない、ということだ。生き残るためには、国民が自分の目と頭と洞察力で、いろいろなバイアスを取り払って真相を見極めなければならない。騙される方が悪いとも言えようが、物事を曖昧に留め置いて、責任を回避する権力者や権威筋の姿勢は時に露骨に嘘をつく以上にたちが悪いことが多い。国民の判断力が鈍ることにしかならないからだ。肝心なことは誰かが責任を持って、金儲けの論理を離れて、明瞭、明晰、明確に明示していただきたいものだ。はっきり言うが、日本には金儲けの論理と金儲けの情報しか存在しない。