龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

日本型民主主義の正体 1

ようやく日本という国家の正体が分かってきたような気がする。分かってきたというよりも、正確には前から分かっているつもりではあったが、分かっている部分に意識の焦点が合って、よりクリアに見えるようになってきたと言うべきであろうか。これまではぼやけていて、朧げにしか認識のレンズに映ってこなかった。日本人であっても日本という国の正体は、その根源の部分に至っては、非常に分かりづらいと思う。この世に52年も生きてきて、今頃になってようやく見えてきた国家観の真理とはその分かり難さ、曖昧さ、不明瞭こそが、日本という国の原理であり核心であるということだ。元々煙のように、ぼやけていて形の定まらない対象に焦点を合わせて明瞭、明晰に見るということはとても難しい。それにも増して、ようやくにして見え始めてきたもの、焦点が合ってきた認識像を言葉でわかり易く言い表して、他者に伝えるということは私のレベルではハードルが高すぎるような気がしないでもない。こういうことはもっと賢い学者や作家がやればよいことである。しかし今の日本では人にもよるが、賢い人間は大抵は小賢しいのである。頻繁にテレビに出ているような人間は特にそうである。いくら賢くても、そこに本当の心が見えてこない。ただ小賢しく言説を弄んでいるだけだ。異論、反論もあるであろうが、私にはそう見えるということだ。私は小賢しい人間が嫌いなのである。だからその権威的な小賢しさに対置させて、自分の馬鹿さ加減を前面に押し出す愚を犯してでも、何か言わなければならない気持ちになる時もあるということだ。本当は何も言いたくないのだけれど。
さて抽象論はともかく、これまでにも数回に亘って大阪市住民投票で不正が為された可能性がある疑惑について述べてきた。どのように感じられるかは人それぞれであろうが。実は私は住民投票が行われた5月17日の1週間後ぐらいであろうか、今回の住民投票についてその開票状況と私が述べてきたような賛否確定の数的な矛盾(つまり疑惑)について週刊誌が、ごく僅かでも取り上げている箇所があるかどうかを調べるために、一度に5誌の週刊誌を買ったのである。週刊現代(6月6日号)、週刊新潮(5月28日号)、週刊文春(5月28日号)、週刊朝日(6月5日特大号)、サンデー毎日(6月7日増大号)の5誌である。結果は予想した通りであったが皆無であった。皆無であるどころかそのような疑惑の火を消火させるような有無を言わせぬ論調であるようにすら感じられた。テレビや新聞だけでなく、1ランク落として週刊誌でもこのような有様なのである。本当は、と言っても私の勝手な推測であるが、橋下氏だけでなく維新の関係者やその他の政治家、そしてあらゆるマスコミに属する人間たちは今回の住民投票の結果がきわめて怪しいものであり、土壇場でインチキの集計が行われた可能性が高い事を薄々感付いているのである。しかしそれについて言及する声や報道がないという以上に、国民をミスリードさせる情報が目に付いた。その一つが、安倍総理菅義偉官房長官は橋下氏に憲法改正に協力してもらうために、大阪都構想に対して理解を示し今回の住民投票に対しても密かに応援していたというものである。こういう内容の情報はアクセントのように週刊誌にはちらほらと掲載されているがどうであろうか。この手の情報操作に簡単に騙されてしまう存在が大衆というものなのかも知れないが、いかにも自民党的なやり口である。簡単にその微妙なニュアンスを説明することは難しいが、私は憲法改正安倍内閣の1丁目1番地であるとは考えていない。集団的自衛権や安保法制の優先順位は高いであろうが、安倍総理は自分の在任中に一気に憲法改正まで突き進もうとは思っていないし、現実的には無理だと考えているはずである。ただ憲法改正が安倍政権の1丁目1番地だと見做されている方が批判もあるが、総体的には国民の支持率が高いところで安定することがわかっているので、国民的議論がどうのこうのなどと曖昧な事を言い続けることで国民の期待と関心をつなぎ止めようとし、批判も合わせてコントロールしているのである。それが安倍氏の政治手法である。バランス重視と言うよりはちょっとペテン的な要素がある。その一方で大阪都構想については自民党大阪府連だけでなく国政においても明確に反対の立場だったはずである。憲法改正時の協力と大阪都構想への賛成をバーターなどとはあまりに馬鹿げている。こういう馬鹿げた情報が出てくる時には何かしら胡散臭い裏があるものである。もう一点は、大阪市のいくつかの区で投票者数と投票総数が一致しなかったことで不正の疑いがあるとして刑事告発が為されたことが報じられている。その総数は僅か数票に過ぎない。仮に不正があったとしても今回の住民投票による否決の結果に影響を与えるものでないので警察が本腰を入れて捜査するはずがないものである。その一方でNHKによって開票率81%の時点で賛成多数の状態であるにも関わらず反対多数で否決との報道がなされ、その後開票率が98%まで進んでも賛成と反対がほぼ同数であり、99%の開票でようやく反対が賛成を上回り、100%の開票ではどういう訳か反対が賛成を1万票以上もの差をつける結果となったことの数的な矛盾や不自然さについては、まったく触れられていない。これでは根本的な疑惑の本丸がどうでもいいような数票程度の手違いか何らかのミスにすり替えられ、有耶無耶にされているのと同じである。ここにも明白な情報操作が見て取れるものである。
(いつも中途半端で申し訳ないが、忙しいので次回に続く。)