龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

今後の為替予想と通貨価値の本質

現在の為替(ドル円)についてであるが、一時105円台に突入したものの、その地点から1円ほど円安の107円近辺を行ったり来たりしている状態である。急激な円高の流れが頭打ちとなって、円安のトレンドに変化したのかと言えば、そうではないと思われる。基本的には円高のトレンドに変化はない。ただGW期間中であるゆえに、日本の当局の思惑が正確に見極められないため、投資家の心理として107円近辺の安全地帯に一時的に避難しているのであろう。これが106円台前半や、105円台であればGW明けに即座に為替介入や金融緩和の措置が講じられる可能性があるが、107円台であれば取り敢えずは日本の当局も様子見の姿勢で、その発言動向によって真意を見極める猶予が生じるからである。投資家と当局はポーカーのような心理の読み合いをしていて、その均衡点によって為替のレートは決まっているのである。アメリカの財務省が日本の為替介入を監視対象とすると公表したことで、円高の流れが加速化されそうな気配となったが、麻生財務大臣アメリカの決定は日本の為替政策を否定するものではないと言及したことや、安倍総理が世界景気の低迷に対応するためには財政出動が必要であるとして為替介入に含みを持たせる発言をなし欧米各国に理解を求めていることから、取り敢えず一旦は円高の流れがストップし、今の107円地点で退避しているような状況であると分析できる。それでは明日以降の動きがどうなるかと予測するに、市場の政治のごまかしを見破る能力はそれほど甘いものではないと考えられる。GWが明けて1~2日の間に、つまり来週の月曜日ごろには、結局日本の当局は、安倍総理や麻生財務大臣がどのような口先だけの歯止めをかけようとも、少なくとも今月末に予定されている伊勢志摩サミットまでは、日銀の円売り介入も金融緩和措置も不可能であることを再確認することとなるであろうから、前回私が予測したように、その地点から僅か10日間ぐらいで100円突破に向けて、また今迄以上の円高の流れが生じる可能性が高いと考えられるものである。今の為替はそれほどに極端な動きを見せるものである。それで90円台に突入しようかという時になってさすがの日本政府も財政出動なり何らかの行動を起こすこととなって、一気に円安に反転するものの106~107円地点で長期的な均衡点になるとする私の予想に基本的には今のところは変わりはない。
為替の予想について、個人的なことで言えば去年の11月から遊び程度に少額の金でFXをやってきたが、自分の中でははっきりと一つの結論が見えてきたものであるが、それは為替の変動で儲けようとして下手に短期的に売ったり買ったりしてもトータルして見ればほぼ確実に自分の資金を減らしていくだけのことである。それはやり方が上手いとか下手だとかいうようなスキルの問題ではなくて、外国為替というものの本質に関わることであると考えられるのだが、現代の通貨価値とは昔の金本位制時代のように実体のあるものとの交換価値によって決せられているのではなくて、それでは何が1ドル100円とか120円などという水準に導く因子となっているのかと言えば、一口で言ってしまえば全ては情報であり、情報以外のものは何もないのである。よって我々一般大衆は、悲しいことではあるが最終的にはどこまでいっても情報弱者でしかないので、売買を繰り返したところで情報強者に搾取される以外にあり得ないということだ。そこにはテクニカル分析もファンダメンタルズ分析も無意味でしかない。通貨価値そのものが情報でしかない以上、情報弱者が情報をいくら分析しても一時的にはともかく通算すれば富を生み出す分岐点を超えることは、不可能である。よってこれからFXをやろうと思っている人には老婆心で言うが、悪いことは言わないからやめておいた方がよい。ただFXで自己資金を増やせられる方法があるとすれば、それは短期の売買ではなくて円よりも金利の高い国の通貨を長期間、保有するということである。なぜなら唯一実体的な通貨価値の因子とは、各国の金利差だけであるからだ。長期的に見た場合は最終的にはそこに収斂していくということである。その点日本の円は0金利であるので、ドルやユーロを長期的に保有することのメリットは大きいと思われる。ただ繰り返すが短期的に売買していてはだめだ。損を繰り返すばかりである。世の中はそういう仕組みになっているのだ。もちろん外国通貨を長期的に保有するといってもどの時点で買えばよいのかわからない。なぜなら今がはたして高いのか安いのかわからないからだ。ここにおいても我々は考えを改めなければならない。為替通貨が情報の総体でしかない以上、どれほど下げ止まった時点であっても、或いはどれほど上げ止まった時点でも、何れの地点でも安過ぎることもなければ高過ぎることもなくて、その瞬間瞬間においては全ては適正価格なのである。移動平均線との乖離などはっきり言って何の意味もない。幻想に紛らわされてはならない。実体の底支えなき価値(情報)には、適正も不適正もないゆえにどこまでも上がるし、どこまでも下がるのだ。よって定期的に少額づつ金利の高い通貨を買って、長期的なアベレージを構築していく以外に道はない。それが相場の悪魔に打ち勝つ(或いは協調するというべきか)唯一の方法なのだ。ところで人工地震については言及することがあまりに恐ろしいので、どうすべきか迷っているところである。