不審に思われるかも知れないので説明しておいた方が良さそうだが、私は何も個人的には朝日新聞に恨みがある訳ではない。それでは今、改めてなぜ朝日新聞を批判の対象にするのかということであるが、それはイデオロギーの右、左や保守とリベラルの対立というような問題ではない。韓国の度の外れた反日政治と言うものが日本にとっての混迷や停滞、障害の要因となって横たわり続けていることは今更、言うまでもないことであるが、それではなぜ韓国の反日政治が過激化する一方で終息の気配を見せないのかということについて冷静に分析する必要性があるのではないかということだ。もちろん韓国の一方的に協定内容を平然と破棄する外交上の信義を全く重んじない政治性や、日本に対する粘着質的でコンプレックスの感情が土台となっている国家体質というものが中核となっていることは確かであろうが、それが全てかと言えばそうではないであろうということだ。日本側の国内世論にそのような韓国の反日政治に拍車を掛けるような言論機関が存在することが要因になっていることは明らかである。それが朝日新聞である。とは言ってももちろん朝日新聞が露骨に韓国の味方になって、反日政治をバックアップしているとまでは言わない。しかし少なくとも日本国内の世論の韓国に対する反発や怒りを何か別の問題に摩り替えたり、或いは朝日新聞的な良心の声で巧妙に懐柔させたり、今回のような大きく取り上げるべき重大問題をさらりとスルーするような世論操作の編集で、ある種の日韓の緩衝剤的な役割を果たしていることは否定できないことであろう。日本は韓国とは違って、言論の自由が保たれている国なのでそれが一新聞社の主張であり、見解であるならばそれが間違っているということは出来ないのかも知れないが、日本はマスコミの政治的な影響力と言うものが非常に大きいという背景は、日本の国益や危機を考える上で無視できないのではなかろうか。朝日新聞のそのような親韓的な論調が、韓国の反日政治を過激化させる日本国内における構造的な要因になっているのであれば、民主主義的な一翼を担った声と言うよりも単に深刻な国難の原因となっているだけであるとは言えないであろうか。誤解があるかも知れないので断っておかなければならないが、これは右翼とか左翼などの問題ではないものである。日本の政治が間違っているのであれば日本の言論機関は揃って日本政府の批判をすべきであり、自国中心主義の偏狭な主張を続けたところで今日のようなグローバル世界にあっては国際的な地位低下を招くことにしかならないことは目に見えていることである。その反対に韓国のような反日政治に対して、朝日新聞のようなマスコミが一途に擁護し続けるというような構図が、戦後社会の中で延々として日本型民主主義の雛形であることは日本にとっては災厄でしかないのではなかろうか。それも昨日、今日の問題ではない。慰安婦問題を未だに引きずり続けていることは韓国側の主張を朝日新聞が日本国内で正当化したり、後押ししてきたことの結果であるとも言えるものである。そして慰安婦問題だけに留まらず、韓国の反日政治の暴走は今日に至ってより一層、過激化の度合いを増しているものである。それに対する朝日新聞の論調は極めて功利的なもので、自社の報道姿勢が韓国の日本に対する協定の不履行や理不尽な批判に対して少なからず影響を与えていることから責任を回避させるような詭弁的な捏ねくりの主張をしているだけである。朝日新聞は一時に比べれば大分、落ち目になっていて国内世論に対する影響力を最盛時から見れば大きく減じているであろうが、それでも日本の民主主義の一翼、一端として重視されていることに変わりはないものである。韓国は無分別に反日政治を押し進めている訳ではなくて、日本の国内世論の動向というものを特に大手新聞社の論説と言うものを毎回注意深く観察しているものである。日本の言論に韓国の傍若無人な反日政治を正当化させたり、緩衝材となってくれる主張が一定の割合を占めている限りは、韓国にとってはその政治姿勢はどれほど嘘や不誠実さに満ちたものであっても正しいという理屈にしかならないものである。民主主義だとか言論の自由だなどと言っても、右と左のどちらに寄り添うかというような原始的な考え方をしている限りは、日本はいつまで経ってもこのような国難から脱却できないものである。私が言うところの思考のギアを上げよとはそういう意味である。一段階レベルを上げた視点で右と左の対立構造が再構築されるのであればまだしも、今の日本の状況は本当に危険であると思う。
