龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

ともだち

眠れない夜は
ベランダに立って夜空を見上げ、町並みを見下ろして
こう考える。
みんな、僕のともだち。
何光年彼方で淡い白光を放ち続けるあの星も
数十万キロ離れて頭上に浮かぶ月も
数十メートル向こう側の、マンションの窓から漏れる
灯りの下で暮らす見知らぬ人々も
言葉の定義はどうであれ、僕のともだちなのだ。
この道路を行き交う無数の車やドライバーも
存在物、存在者としての範疇で見れば
ともだちであると言える。
肌寒い冬の夜気や、地上を覆う無数の建造物も
全ては存在の根源において仲間なのだ。
僕は一人ではないのである。
全ては繋がっていて、
何をどう考えようと、どれほど深く絶望したとしても
僕は常に否応なく、
宇宙の森羅万象に温かく迎えられているということだ。
だから何も不安を感じることはないのである。
パニックになったり、怯える必要は本当は何もない。
この世界の対立や離反は
意図的に作り上げられた虚構の幻想でしかないのだ。
無限のともだちよ、
それぞれの流儀で確かに生きて
そっと僕を優しく包み込んでおくれ。
一緒に麗しい夢を見続けようじゃないか。
そんなことを束の間考えながら
また布団の中に入って、じっと丸まる。
朝になれば、母体から新しく生まれ出てくる胎児のように。
もう51歳だというのに。