龍のひげ’s blog

子供たちの未来のために日本を変革する

#詩

孤独という最果ての中心

何か、何か、何か 私でないものが、 私を支えている。 それは、わかっているのだけれど それでも私は とても孤独だ。 魂の志向性とでも言うのだろうか。 結局、私が追求しているものは 孤独の最奥でしか 見つけられないものだからだ。 生の最果ての辺境で 生…

人間と変身

何かが怖い。何かが不安だ。 目には見えない、何かしらが 私という人間存在の奥底で蠢き 人並みに生きんとする 我が人生のささやかな幸福を 妨げようとする。 何かとは、何だ。 それは言葉と言葉の間にあって 未だ言葉にならない未分化の呻吟。 それは物と物…

夢の彼方

どこかへ飛んで行きそうだ。 死んでしまいそうだ。 そんな感覚があるからこそ、眠りは心地よくも不可解である。 夢を見る。 夢の中では、目覚めている時の実存的な不安や憂いは何もない。 悪夢でさえもシュールで、滑稽だ。 忘却の彼方に閃く映像に 我が人生…

1メートルの超越

行き止まりにして、 袋小路、吹き溜まりのような私の肉体。 もうこれ以上、どこにも行けやしない。 1ミリたりとも、先には進めない。 肉体とは限界にして 絶望という名の鈍重な終着駅。 若返ることなどありゃしない。 老いて、朽ち果ててゆくのを待つばかり…

コリアンタウン

コリアンタウンにキムチを買いに行く。 ここ数年来の食習慣で 4~5日に一度、一人分だけの キムチを買って、 昼の弁当と一緒に食べる。 キムチのおかげで、健康になったのかどうかは、 よくわからないが 風邪はあまり引かなくなったようだ。 だがその店の…

熟れ過ぎたトマトのような夏の時間が 私の部屋の中にじっと鎮座している。 窓を開けると、 訪問者のように風が入ってきて、 緑のカーテンを揺らし そっと時間が流れ出す。 何も悲しくはない。 何も虚しくはない。 表皮が破れて 今にも汁が垂れこぼれそうな …

蝉の存在理由

目覚めれば、蝉の声。 我が青春の麗しき恋の夢を見ていたのに、 蝉に起こされる。 生命の雑音。 街中の不協和音。 じりじりと日中へと向けて 気温を上げてゆくかのような蝉の鳴き声。 ああ、早く死ねばよいのに。 お前らが、この夏の地上から 一匹たりともい…

融合

突然、世界は白くかき曇り 紙吹雪かと思えば、本物の雪だ。 窓の外に、雪が舞っている。 大阪で見る雪は、珍しいから 私はホット・カルピスを飲みながら 窓から、じっと雪を見つめる。 とその瞬間、啓示のように何気ない風景が際立つ。 窓の向こうは、次元の…

夜空の彼方へ

冬の夜空には もう、忘れてしまった苦しみや悲しみが、 煌く星々となって瞬いている。 20代の頃には、理由もなく、悲しくて、不安で、 とにかく、生きていることが恐ろしかった。 自分は地獄世界の住人だと思い込んでいた。 でも今でははっきりと分かる。 …

詩人の仕事

水の都と呼ばれる大阪は その昔、江戸時代の地図などを見ると 本当に縦横を河に囲まれて 水の流れと共に人々の暮らしが 営まれていたことがよくわかるのだ。 朝、目が覚めれば 手の届くような距離で幾隻もの舟が ゆったり、優雅に食糧や材木を運搬している …

悪魔の系譜

マスコミのマは、悪魔の魔。 悪魔が常時住み込んでいるから、 魔住み込み、略してマスコミという。 これがマスコミという言葉の本来の語源である。 ご存知であったか。 皆様方、悪魔にはくれぐれもご用心を。 人の心を誑かし、進むべき道を踏み外させようと …

眠れない夜

政治のことやら、マスコミのことを考えていると 腹が立って、腹が立って眠れない。 眠れない夜には 窓辺に立って空を見上げる。 何も見えない、何もない。 ただ、ひたすらに絶望の空間が無限に拡がっている。 この漆黒の闇は地獄へと通じているのだ。 入り口…

美を生む毒

毒を有する植物の花には独特の美しさと佇まいがある。どこか世を儚んでいるかの風情が、路地裏の道端などにひっそりと咲いている光景に遭遇すると心を魅かれて見入ってしまう。意外と民家に多く植えられているのが朝鮮朝顔の木で、私は下向きに咲くエンジェ…

ジ・アザー・サイド

現実を見よ、と人は言う。 しかし時に現実は泥沼となり 喘ぎ、もがく人間を溺れさせることであろう。 果たして溺れる人間に沼の全体を見ることなど出来るものか。 なら溺れないためには、どうすべきであろう。 泥沼を、底まで見通せる澄み切った湖へと どう…

私という道

あなたは知っている。 あなただけではない。 道行く私の知らない人々が知っている。 人間だけではない。 街路樹のプラタナスや石鉢に植えられたカポックの木が 知っている。 植物だけではない。 鳴き声のうるさい近所のコーギー犬や痩せ細って目付きの悪い野…

落ち葉

取引先のある会社が毎月、公益財団法人モラロジー研究所が発行している“ニューモラル”という小冊子を送ってくださっている。内容は名前の通り道徳についての啓発書なのであるが、私は不勉強で申し訳ないのであるが本文については忙しいこともあってほとんど…

蝉の声

神の声は聞こえずとも 蝉の鳴き声だけは、はっきりと聞こえている。 蝉の鳴き声に御利益はないが 今この瞬間に、確かに私が生きていることを 証明してくれている。 そう言えば昨晩は大雨であったのに これら数多の蝉たちはどこで過ごしていたのであろうか。 …

詩人の証明

誰かに理解されたり 認められたり 愛されることが、人生の唯一の目的ならば 私は、もうすでに死んでいるようなものである。 でもそれでも、いいじゃないか、と思う。 死んで生き、生きて死ぬ。 そういう風変わりな人間が、この世に一人や二人はいなければ 世…

草食系のニヒリズム

ああ、それにしても私という人間は 何をしていても、虚しい。 何かをしていなければ、もっと虚しい。 ところで、私の虚しさの原因は、 私個人の精神性だけにあるのではない。 日本という国が、その資本主義システムの 爛熟を通過した腐敗プロセスが 欺瞞に満…

星と薔薇

星遠く 薔薇の花びら そっと触れ 我が魂は 身体離れず

初夏のダチュラ

猛毒を 隠し俯く 曼荼羅華

薔薇と世相

暗色の 世に咲き誇る 薔薇の花

政治の力

政治の力は数に非ず。 数は、欺瞞と迎合のまやかしの果実なり。 数を追う者は、数に倒され 真理を見る者は、真理に生かされるであろう。 ならば真の政治の力は、その根源はどこにあるのか。 これを考えない者、考える能力なき者は 政治から一切、離れるべき…

下向く天使のトランペット

曼荼羅華 地上に咲きて 音が止む

薔薇と祈り

観音に 祈り通じて 薔薇の香や

薔薇と死

薔薇一輪 花瓶に活ける 死の甘美

薔薇の奇跡

人生に 奇跡望まず 薔薇を見ん

茜色の薔薇

夕暮れが 茜の薔薇に 燃え染まり

薔薇の思い出

思い出は 薔薇香と共に よみがえり

ミュシャの絵

ミュシャの絵は 奥行きなくも 薔薇香る